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ダブル・スタンダード ──「1.5代」象徴天皇制度下の創設論 8 [女性宮家創設論]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です


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ダブル・スタンダード
──「1.5代」象徴天皇制度下の創設論 8
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 やむにやまれぬ思いから、たった1人で、「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンをネット上で始めました。皆様のご協力をお願いします。
https://www.change.org/p/%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E5%AE%AE%E5%86%85%E5%BA%81-%E5%BE%A1%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%AB%B8%E5%84%80%E7%A4%BC%E3%82%92-%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A1%8C%E4%BA%8B-%E3%81%AB

 さて、以下は、拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋です。一部に加筆修正があります。


第2章 有識者ヒアリングおよび「論点整理」を読む

第3節 「1.5代」象徴天皇制度下の創設論──戦後行政史を追究しない百地章日大教授の反対論

▽8 ダブル・スタンダード
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 実際のところ、政府は戦後、むしろ緩やかな分離政策を採用してきました。

 関東大震災と東京大空襲の犠牲者を悼む東京都慰霊堂では春秋年2回、仏式による慰霊法要が都内の5つの仏教寺院の持ち回りで行われています。カトリックの世界的巡礼地である長崎の26聖人記念碑は市有地に立地し、小泉内閣時代以降、首相官邸などでイスラムの断食明けの行事「イフタール」が行われました。

 けれども「違憲」という抗議の声は聞かれません。

 しかし、宮中祭祀や神社のこととなると、政教分離の厳格主義が頭をもたげてきます。つまり宗教政策の二重基準(ダブル・スタンダード)です。

 そして昭和22年の宮内府長官官房文書課長の依命通牒が50年の長官室会議で反故にされ、宮中行事の明文的根拠が完全に失われた結果、昭和から平成への御代替わりの諸行事はさまざまな影響を受けました。

 最大のテーマは大嘗祭でした。

「きわめて宗教色が強いので、大嘗祭をそもそも行うか行わないかが大問題になりました」

 と、当時、内閣官房副長官として政府の中枢にいた石原信雄氏は、著書の『官邸二六六八日』で振り返っています。

 何しろ戦後の皇室典範には、「大嘗祭」の定めが見当たりません。しかし、立法者たちが大嘗祭の挙行を不適当だと考えたわけではありません。

 昭和21年12月5日の帝国議会で、皇室典範案に関する第一読会が行われたとき、金森国務大臣は、こう述べています。

「即位の礼を行わせられ、大嘗祭を行わせられるというふうの規定は、これはその即位の礼に関しましては、今回制定せられまする典範の中にやはり規定が設けてありまして、実質において異なるところはございませんので、大嘗祭等のことを細かに書くことが一面の理がないわけではありませんが、これはやはり信仰に関する点を多分に含んでおりまするが故に、皇室典範の中に姿を現わすことは、或は不適当であろうと考えておるのであります」


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります


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