SSブログ

眞子内親王の皇籍離脱をけしかける登誠一郎元内閣外政審議室長の不遜。安倍総理の次は秋篠宮親王に直言。女性天皇・女系継承容認へまっしぐら [女系継承容認]

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
眞子内親王の皇籍離脱をけしかける登誠一郎元内閣外政審議室長の不遜。安倍総理の次は秋篠宮親王に直言。女性天皇・女系継承容認へまっしぐら
《斎藤吉久のブログ 令和2年1月26日》
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


今月16日、朝日新聞の言論サイト・論座に掲載された、登誠一郎元内閣外政審議室長のエッセイ「眞子さまのご結婚と皇位継承の問題。国民一般から祝福される結婚となるために」を読みました〈https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020011400008.html〉。

眞子内親王殿下の御結婚問題に関して、2月に「何らかのことを発表」なさるとされる秋篠宮親王殿下に対して、「国民一般から祝福される結婚」となるためには、ご結婚前にまず皇籍離脱すべきだと大胆に迫っておられるのには、たいへん驚きました。

仰せの「幸せを願う一国民としての率直な感想」は、むしろ親切心を装う不遜な僭越というべきではありませんか。皇室のことは皇室にお任せし、そっと見守るというわけには行かないのでしょうか。身の振り方にまで口を挟む権利が、主権者とされる国民に元来、あるのですか。いやあるというのなら、その先にどんな悲劇が待ち受けているのか、想像していただきたいと思います。


▽1 登さんにとって天皇とは何か

そもそも提言には、いくつか大きな基本的誤りがあるように思います。

登さんはまず、ご結婚は「一個人の幸せ」の問題であると同時に、「皇位継承に関係する重要問題でもある」と指摘しています。内親王殿下を「一個人」と言い切っていいものか、議論の余地が大いにありますが、皇位継承問題に関わるというご認識はまったく正しいでしょう。そして仰せのように、「ご結婚の有無とその時期」が問題となります。

それなら、どう問題となるのか、その次の登さんの分析は明らかな間違いでしょう。

登さんは、「現在の皇室典範に基づく皇位継承順位は、①秋篠宮さま、②悠仁さま、③常陸宮さまであるが、女性天皇・女系天皇の容認を提言した2005年の有識者会議の報告書に従うと、この順位は、①愛子さま、②秋篠宮さま、③眞子さま、④佳子さま、⑤悠仁さま、⑥常陸宮さまの順となる」と説明していますが、仰せの「ご結婚の有無とその時期」次第では、そのようにならないことは明白です。

登さんが推奨する女性天皇・女系天皇容認、女性宮家創設が今後、もし制度化されたとして、そののち内親王が独身を貫く場合、婚姻したとしてもお子様が誕生されなかった場合、逆にお子様が誕生された場合では、皇位継承順位は当然、変わります。愛子内親王殿下が婚姻によって皇籍を離脱したあとの制度改革なら、登さんが仰せの皇位継承順位にはなり得ません。

登さんは「愛子さまが天皇になられた後に、万が一お子様ができない場合には、次の天皇は眞子さまになる」と断定していますが、これも婚姻の「時期」次第ではそうはならないでしょう。皇位継承順位があたかも確定的であるかのような説明で、読者をミスリードしてはなりません。

登さんは「眞子さまの幸せ」と「国民の祝福」の妥協点として、皇室典範が定める皇室会議による皇籍離脱を提案していますが、新たな火種を生むことにならないでしょうか。登さんは、「皇室制度の民主的側面を象徴する」と自賛していますが、議員10人のうち皇族は2人、天皇も参加しない皇室会議の決議で皇族の減少を逆に促進する「民主」主義は禁じ手というべきです。現にイギリスで似たようなことが起きているではありませんか。

結局のところ、登さんの議論は、国民主権下の法制度によって、126代続いてきた天皇を引きずり下ろそうとしているかのように私には見えます。そのようにする登さんにとっての天皇とは何でしょうか。何のための皇位継承なのでしょうか。


▽2 王朝の支配を破るのは憲法違反

登さんは、昨年11月には「女性・女系天皇は不可避~実際の皇位継承順位は? 『安定的皇位継承』の議論先送りは許されない」という文章を同じ論座に載せています。〈https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019112600008.html

ここでは女性天皇・女系天皇容認のための国民的議論の開始を安倍総理に強く迫っていました。

登さんがくりかえし強調し、支持されるのは「象徴天皇制の安定的継承」です。126代続いてきた伝統的「天皇」ではありません。「国民の7割が支持」するという「象徴天皇」と開闢以来、わが祖先たちが築き上げてきた「天皇制」とは同じではありません。その違いを「7割」は理解していると登さんはお考えでしょうか。

登さんは古来の男系継承主義を近代的な男女平等主義の物差しによって批判しています。海外の王位継承が男女平等に改められたことを解説し、男女差別は中近東以外では日本だけだと指弾していますが、間違いでしょう。

過去の歴史に女性天皇がいないのではなく、夫があり、子育て中の女性天皇がおられないのであり、それは男女差別ではなく、王朝の支配という大原則にあります。現行憲法の定める「世襲」はdynasticの意味で、血がつながっていればいいというのではありません。

ヨーロッパでは王族同士の婚姻、つまり父母の同等婚によって王位継承が行われ、女王の子孫に継承される場合は王朝が変更されました。これとは異なり、日本では男子の皇族性が厳しく要求され、皇室という王朝の支配が一貫してきたのです。ヨーロッパでは近年、父母の同等婚という原則が崩壊しています。ヨーロッパの王室を参考するにわけにはいきません。

 【関連記事】参考にならないヨーロッパの「女帝論議」──女王・女系継承容認の前提が異なるhttps://saitoyoshihisa.blog.ss-blog.jp/2006-12-18
 【関連記事】大変革のときを迎えたイギリス王室──男女平等継承どころではないhttps://saitoyoshihisa.blog.ss-blog.jp/2011-10-15-1


明治の皇室典範が女帝を否認した最大の理由は、王朝の支配を堅持するためでした。王朝の支配を破る女系継承容認は現行憲法にも違反します。そこまでして歴史に前例のない制度改革に血道を上げるより、男系の絶えない制度をどうして考えようとしないのですか。


▽3 藩屏なき皇室、ここに極まれり

聖書は男のあばら骨から女が生まれたと説明していますが、日本の国生み神話は男女の共同作業で国が生まれたと物語っています。ヨーロッパ的な男女平等概念の根っこには、キリスト教の徹底した男女差別があるのではありませんか。

登さんは、皇位継承の男系主義は単なる男女差別にしか映らないのでしょうか。古来の天皇は私なき祭祀をなさる祭り主でした。天神地祇を祭り、ひたすら国と民のために祈る存在でした。天皇には姓がありません。異姓の臣下が皇籍に入ることなどあり得ません。逆に民間から入内した皇后は摂政ともなり得ます。これは男女差別でしょうか。

皇位はそもそも平等の概念とは別の次元に位置するものであって、皇位の継承に平等原理を持ち込むことに無理があるのではありませんか。

 【関連記事】基本を忘れた女系継承容認論──小嶋和司教授の女帝論を読むhttps://saitoyoshihisa.blog.ss-blog.jp/2011-12-31

登さんは論考のなかで、これまでの議論の経過を詳しく説明していますが、政府の有識者会議が皇室の天皇観を検討しなかったことについては言及しておられません。「皇位の安定的継承」のために126代続く皇室の歴史と伝統を無視するのは、矛盾以外の何ものでもありません。登さんが考える皇位とは、国事行為のみを行う特別公務員としての天皇でしかないのではありませんか。それならそうと、皇室の伝統とは違うと、正確に説明すべきです。

 【関連記事】混迷する「女性宮家」創設論議の一因──古代律令制の規定を読み違えている?https://saitoyoshihisa.blog.ss-blog.jp/2012-03-18

昨年の論考では、登さんは女性天皇・女系天皇容認の制度化によって皇位継承順位が途中で変更されることへの「感情的な抵抗」を避けるために、新たな皇位継承資格者は従来の資格者のあととすることを提案し、その案によると、① 秋篠宮さま、② 悠仁さま、③ 常陸宮さま、④ 愛子さま、⑤ 眞子さま、⑥ 佳子さまという順位になると説明していますが、こういう議論になってくると、もはや皇位を弄んでいるようにしか私には見えません。

かつては皇室自立主義ということがいわれました。皇室のことは皇室に委ねる。そういう制度に改められるべきではないでしょうか。そうでないと皇族になりたがる有象無象の男たちがあらゆる方法で内親王・女王に群れ集まってくることでしょう。126代の皇室の権威は雲散霧消します。すでに兆候はあります。もしや登さんはそれがお望みでしょうか。

それにしても、苦悩のただ中にある秋篠宮親王を名指しし、公の媒体で介入するとは、藩屏なき皇室、ここに極まれりの思いがします。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。