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私の指摘を認めている ──拙文の指摘は図星だった 3 [女性宮家創設論]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です


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私の指摘を認めている
──拙文の指摘は図星だった 3
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 拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。


第4章 百地章日大教授の拙文批判に答える

第1節 拙文の指摘は図星だった


▽3 私の指摘を認めている
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 百地先生が逆上した第2の理由は、私の指摘が図星だったからでしょう。

 先生は

「特に問題と思われる箇所を中心に、簡潔に反論を加えておく」

 と拙文批判を展開していますが、肝心要の私の指摘には触れてもいないのです。

 私は、拙文に書いたように、有識者ヒアリングでの百地先生の意見に、ほとんど同感しています。批判のための批判を展開しているのではありません。ただ、歴史的理解が欠落しているのではないか、だから問題の全体性が見えないのではないか、というのが私の指摘です。

 百地先生は「産経新聞」24年3月2日付の「正論」欄で、「女性宮家」創設問題の発端は、羽毛田信吾宮内庁長官が野田佳彦首相に、「女性宮家」創設を要請したことにある、と断定しています。

 なぜ断定できるのか、なぜ断定してしまうのでしょうか?

 23年11月25日づけ「読売新聞」の「スクープ」は

「『女性宮家』の創設検討 宮内庁が首相に要請」

 と報道しましたが、少なくともタイトルは

「長官が要請」

 とは書いていません。

 そればかりか、「週刊朝日」同年12月30日号は、岩井克己朝日新聞記者の記事で、羽毛田長官自身が「長官が提案」の報道を否定したと伝えています。

 アカデミズムであれ、ジャーナリズムであれ、ものごとを断定するのはそれに足る十分な事実の確認が必要です。百地先生の文章には事実の確認に危うさがある、そのことが「女性宮家」問題のみならず、先生の専門分野であるはずの政教分離問題にも大きく影響しているように私には見えます。

 ところが、百地先生が

「長官が要請」

 と断定し、私がそのことを指摘したことについて、百地先生は触れていません。なぜなのでしょうか?

 要するに、触れられないからでしょう。

 1から10まで論点を並べ、拙文を完膚無きまでに批判したように見えて、主要な指摘については避けている。それはつまり、認めたということです。

 もし「長官が要請」が事実だとすると、「読売新聞」は

「宮内庁長官が要請」

 と報道すべきだったし、当世随一の皇室ジャーナリストが書いた「週刊朝日」の記事は誤報だということになります。「長官要請」を否定する羽毛田長官はウソをついていることになります。

 百地先生は私に反撃するのではなく、日本の大手メディア、著名記者、陛下の側近をこそ、批判すべきなのです。

 そうはなさらないのは、図星だからでしょう。認めざるを得ないけれども、認めたくない。だから、逆上し、目くらまし的にほかの論点で、足腰が立たないくらいにまで打ちのめすという手法を採ったのではないでしょうか?

 それはケンカ殺法というべきものであって、謙虚に真理の追究に打ち込む研究者の姿勢とは異質のもののように思われます。そういえば、先生は

「積極的に関わり、政府解釈の変更のため、筆者なりの『闘い』を続けてきたつもりである」

 と自負しています。先生は「闘い」の人なのでした。

 けれども、いま私たちに必要なのは、「闘い」ではなくて、真摯で謙虚な学問の深まりなのです。そうでなければ、皇室を取り巻く深刻な問題に、根源的な解決をもたらすことは不可能でしょう。


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります


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