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依命通牒の存在を知るなら ──依命通牒の「廃棄」をご存じない? 5 [女性宮家創設論]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です


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依命通牒の存在を知るなら
──依命通牒の「廃棄」をご存じない? 5
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 拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。


第4章 百地章日大教授の拙文批判に答える

第2節 依命通牒の「廃棄」をご存じない?


▽5 依命通牒の存在を知るなら

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 百地先生の拙論批判から浮かび上がってくるのは、どうやら先生は依命通牒について何もご存じない、関心もないらしい、ということでしょうか。しかし、それでは戦後皇室行政史を論じようがないのではありませんか?

 依命通牒の存在自体はご存じだったようにも見えます。私が指摘する前は、もしかすると、「いまも生きている」と理解されていたかもしれません。けれども、もしそうだとすると、おかしいのです。

 依命通牒第3項には、

「従前の規定が廃止となり、新しい規定ができていないものは、従前の例に準じて、事務を処理すること」

 と書かれています。

 石原信雄元内閣官房副長官が回想するように、御代替わり当時、最大に難問は大嘗祭の宗教性でした。

 百地先生によると、先生は大嘗祭=「皇室の公事」論を構築し、政府に進言しました。そして

「幸い政府もこの理論を採用し、大嘗祭はほぼ伝統通りに斎行することができた」

 と自慢げです。

 もし先生が、依命通牒第3項が存在し、「いまも生きている」と理解していたのだとしたら、大嘗祭=「皇室の公事」論なるものを新たに構築する必要はなかったはずです。政府に対して、

「御代替わりに関する旧皇室令は日本国憲法の施行とともに廃止されたが、新しい規定はない。したがって依命通牒第3項に則って、従前の例に準じて、すなわち旧皇室令に準じて事務を処理すべきである」

 と主張すれば足りたのです。

 なぜそのようになさらなかったのでしょうか?

 依命通牒の「破棄」をじつはご存じだったのでしょうか。もしそうだとすれば、先生は嘘つきだということになります。私はそうは思いたくありません。

 そうではなくて、依命通牒の存在をご存じなかったのではないか、もしくは、ほとんど存在を意識していないのではないか。しかし、そうだとすると、これまた厄介です。


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります


☆ひきつづき「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンへのご協力をお願いいたします。このままでは悪しき先例がそのまま踏襲されるでしょう。改善への一歩を踏み出すために、同憂の士を求めます。
https://www.change.org/p/%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E5%AE%AE%E5%86%85%E5%BA%81-%E5%BE%A1%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%AB%B8%E5%84%80%E7%A4%BC%E3%82%92-%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A1%8C%E4%BA%8B-%E3%81%AB

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