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私の指摘を認めている ──拙文の指摘は図星だった 3 [女性宮家創設論]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です


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私の指摘を認めている
──拙文の指摘は図星だった 3
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 拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。


第4章 百地章日大教授の拙文批判に答える

第1節 拙文の指摘は図星だった


▽3 私の指摘を認めている
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 百地先生が逆上した第2の理由は、私の指摘が図星だったからでしょう。

 先生は

「特に問題と思われる箇所を中心に、簡潔に反論を加えておく」

 と拙文批判を展開していますが、肝心要の私の指摘には触れてもいないのです。

 私は、拙文に書いたように、有識者ヒアリングでの百地先生の意見に、ほとんど同感しています。批判のための批判を展開しているのではありません。ただ、歴史的理解が欠落しているのではないか、だから問題の全体性が見えないのではないか、というのが私の指摘です。

 百地先生は「産経新聞」24年3月2日付の「正論」欄で、「女性宮家」創設問題の発端は、羽毛田信吾宮内庁長官が野田佳彦首相に、「女性宮家」創設を要請したことにある、と断定しています。

 なぜ断定できるのか、なぜ断定してしまうのでしょうか?

 23年11月25日づけ「読売新聞」の「スクープ」は

「『女性宮家』の創設検討 宮内庁が首相に要請」

 と報道しましたが、少なくともタイトルは

「長官が要請」

 とは書いていません。

 そればかりか、「週刊朝日」同年12月30日号は、岩井克己朝日新聞記者の記事で、羽毛田長官自身が「長官が提案」の報道を否定したと伝えています。

 アカデミズムであれ、ジャーナリズムであれ、ものごとを断定するのはそれに足る十分な事実の確認が必要です。百地先生の文章には事実の確認に危うさがある、そのことが「女性宮家」問題のみならず、先生の専門分野であるはずの政教分離問題にも大きく影響しているように私には見えます。

 ところが、百地先生が

「長官が要請」

 と断定し、私がそのことを指摘したことについて、百地先生は触れていません。なぜなのでしょうか?

 要するに、触れられないからでしょう。

 1から10まで論点を並べ、拙文を完膚無きまでに批判したように見えて、主要な指摘については避けている。それはつまり、認めたということです。

 もし「長官が要請」が事実だとすると、「読売新聞」は

「宮内庁長官が要請」

 と報道すべきだったし、当世随一の皇室ジャーナリストが書いた「週刊朝日」の記事は誤報だということになります。「長官要請」を否定する羽毛田長官はウソをついていることになります。

 百地先生は私に反撃するのではなく、日本の大手メディア、著名記者、陛下の側近をこそ、批判すべきなのです。

 そうはなさらないのは、図星だからでしょう。認めざるを得ないけれども、認めたくない。だから、逆上し、目くらまし的にほかの論点で、足腰が立たないくらいにまで打ちのめすという手法を採ったのではないでしょうか?

 それはケンカ殺法というべきものであって、謙虚に真理の追究に打ち込む研究者の姿勢とは異質のもののように思われます。そういえば、先生は

「積極的に関わり、政府解釈の変更のため、筆者なりの『闘い』を続けてきたつもりである」

 と自負しています。先生は「闘い」の人なのでした。

 けれども、いま私たちに必要なのは、「闘い」ではなくて、真摯で謙虚な学問の深まりなのです。そうでなければ、皇室を取り巻く深刻な問題に、根源的な解決をもたらすことは不可能でしょう。


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります


☆ひきつづき「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンへのご協力をお願いいたします。このままでは悪しき先例がそのまま踏襲されるでしょう。改善への一歩を踏み出すために、同憂の士を求めます。
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3回の連載を読み通していない ──拙文の指摘は図星だった 2 [女性宮家創設論]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です


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3回の連載を読み通していない
──拙文の指摘は図星だった 2
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 拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。


第4章 百地章日大教授の拙文批判に答える

第1節 拙文の指摘は図星だった


▽2 3回の連載を読み通していない
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 理由はいくつか考えられます。

 1つは、連載をすべて読み通していないからでしょう。”

 先生の記事の冒頭には、

「1月号に連載の第2回が掲載された。筆者(百地先生)の『女性宮家』反対論を批判したものだというから、さっそく読んでみたが……」

 と正直に書かれています。

 先生は第2回だけを読んで、逆上したのでしょう。

 もともと拙文は1本の原稿でしたが、100枚近くになる長文のため、編集部から連載にするよう勧められ、書き改められました。

 私が書きたかったのは、個人攻撃などではなく、いわゆる「女性宮家」創設論のいびつさです。歴史にあるはずもない「女性宮家」創設論がなぜ急浮上してきたのか、政府の目的は何か、が見えてきません。当然、議論は混乱しています。

 一般には、百地先生も同様ですが、平成23年の秋に、読売新聞の「スクープ」に始まるとされている「女性宮家」創設論は、第1章で明らかにしたように、じつは10年以上も前に、女系継承容認論と一体のかたちで始まっていることが分かります。

 ところが、有識者たちの議論に、そのような指摘は見当たりませんでした。

 政府の官僚たちは「皇室制度」改革と命名したはずですが、マスコミは「女性宮家」創設と報道し、識者たちは、百地先生の拙文批判も同様ですが、「女性宮家」問題を論じていきました。議論が矮小化し、曲がっていくのは当然です。

 私は連載で、恩義あるお三方を取り上げました。百地先生も含めて、先生たちなら、私の指摘を理解してくださるだろうと期待したからです。百地先生の文章にあるように、「自己宣伝」のためにケンカを売るだけなら、先生が仰せの

「天皇制否定論者の横田耕一教授など、ごく一部学者」

 をやり玉に挙げればすむことです。

 私はなぜ連載を書いたのか、第2回しか読んでいない百地先生には理解できないのでしょう。返す返すも残念です。「誹謗・中傷」にしか見えないとすれば、私は私自身の「不明」を恥じるほかはありません。

 先生と同様に、第2回までを読んで、

「自分だけが知っている」

 というような書き方をするな、と忠告してくれた知人がいますが、第3回を読んで納得してくれました。百地先生も

「的外れ」
「高みの見物」

 などと決めつけずに、連載全体を読んでいただきたいと思います。再反論をお待ちしています。


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります


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北朝鮮メディアのような反応 ──拙文の指摘は図星だった 1 [女性宮家創設論]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です


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北朝鮮メディアのような反応
──拙文の指摘は図星だった 1
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 拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。


第4章 百地章日大教授の拙文批判に答える

第1節 拙文の指摘は図星だった


 月刊「正論」平成24年12月号から3回連続で、「『女性宮家』創設賛否両論の不明」という連載を書きました。これに対して、同誌翌年3月号で、敬愛する百地章日大教授(当時)が反論を書いてくださいました。

 反応してくださったのはありがたいことですが、私の予想を完全に裏切るすさまじい剣幕です。ほとんど逆上しておられます。心底、がっかりしました。


▽1 北朝鮮メディアのような反応

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 2つのことを思いました。

 1つは体験談です。駆け出しのころから調査報道というものに携わってきた私は、デイリーの新聞記者などとは異なり、文献を読み、その道の碩学に取材することが習慣になりました。

 興味深いのは、素人のような素朴な疑問に、現代を代表する知性たちから、

「分からない」

 という答えがしばしば返ってきたことです。

「学問的に解明されていない」

 ということもありましたし、

「私の研究分野ではない」

 ということもありました。

 前者の場合は、それだけ研究領域の全体に精通していればこその返答であり、現在の研究水準を簡単に理解することができる点で、門外漢の私にはありがたいことでした。後者は、知ったかぶりをしない正直さにさわやかさを覚え、好感が持てました。

 いずれにしても、最高レベルにある研究者たちは、少なくとも私がお世話になった方々はきわめて謙虚です。1人の研究者が一生のうちにできる学問研究は量的に限られています。高い目標を持つ人ほど、謙虚にならざるを得ないのでしょう。

 これに対して、まったく別の反応を示す人たちがいました。単刀直入に指摘すると、逆ギレして、食ってかかってきたものです。研究者ではありません。政治家でした。

「(私の)粗雑な頭脳を哀れむだけである」

 と言い返してくるような百地先生の反応は、研究者というより、政治家に似ています。

 もうひとつ、百地先生の反論を読んで思い起こしたのは、北朝鮮メディアの勇ましい論評です。

「やられたらやり返せ」風に、ごく最近も、米韓合同演習に対して、

「敵対勢力の増大する核戦争挑発策動に対処して、核実験以上のこともしなければならない」

 と威嚇したと伝えられています。闘鶏でも見ているかのようなけたたましさです。

 百地先生は、教室で学生たちが率直な指摘をしたとき、怒号を浴びせ返したりするのでしょうか。いつもにこやかで、親爺ギャグの大好きな先生です。それであればこそ、学生には人気のはずです。間違っても、

「お前は頭が悪い」

 などと金切り声を張り上げたりはしないでしょう。

 だとすると、尊敬してやまない先生は、なぜ「北朝鮮人」に豹変してしまったのか。なぜ逆上したのか、が私の新しいテーマになりました。


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります


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職場が失われる ──改革の本質は官僚たちの延命策? 6 [女性宮家創設論]

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職場が失われる
──改革の本質は官僚たちの延命策? 6
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 拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。


第3章 伝統を拒絶する官僚たちの暴走

第4節 改革の本質は官僚たちの延命策?──絶対に消えない「女性宮家」創設論の火種


▽6 職場が失われる
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 政府は「女性宮家」創設の目的を「皇室の御活動」の維持と説明していますが、12条改正で維持されるのは、むしろ宮内庁の官僚組織ではないでしょうか?

「文藝春秋」24年新年特別号は、「民主党政権下で平成が終わる日」を特集し、「皇太子不在の時代」「女性宮家創出」などについて「問題提起」しました。

 筆者の大島真生産経新聞記者が問いかけたことのひとつは、皇太子殿下が即位されると、東宮は不在となり、東宮職は廃止される。東宮職がなくなれば、むろん官僚たちも不要になる、ということでした。

 官僚たちにとっては危機以外の何ものでもありません。生活に関わる死活問題です。

 昭和40年代以降、宮内庁では職員の世代交代がおき、幹部職員はほかの省庁からの横滑り組が占めるようになったといいます。渡邉前侍従長(いまは元職)もその一人でしょうが、本省の本流からはずれた官僚たちに、第二の人生のステージを提供してきたのが宮内庁でした。

 宮内庁の組織が縮小されれば、官僚たちは安閑としていられません。職場が失われ、生活が脅かされることへの恐怖が「皇室制度」改革の本質ではないか、とも疑われます。

 政府が皇室の意見に耳を傾けず、有識者ヒアリングを実施した根拠は、憲法です。憲法は国民主権を謳っていますが、じつのところ国家主権は官僚たちに握られています。

 官僚たちは陛下より憲法に忠誠を誓い、「皇室の伝統」より「憲法の理念」を重んじ、暴走を続けています。アカデミズムやジャーナリズムなど第三者によるチェックが機能するならまだしもですが、それはほとんど期待できそうにありません。


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「ご分担」はあり得ない ──改革の本質は官僚たちの延命策? 5 [女性宮家創設論]

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「ご分担」はあり得ない
──改革の本質は官僚たちの延命策? 5
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 拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。


第3章 伝統を拒絶する官僚たちの暴走

第4節 改革の本質は官僚たちの延命策?──絶対に消えない「女性宮家」創設論の火種


▽5 「ご分担」はあり得ない
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 視点を変えて、皇室典範第12条を改正したあと、いったい何が起きるのか、を考えてみましょう。

 政府が進める「皇室制度」改革が目的と掲げる、

(1)「皇室の御活動」の維持
(2)天皇陛下のご負担軽減

 は、はたして達成されるでしょうか、私は半信半疑です。

 渡邉前侍従長(いまは元職)は、「女性宮家」創設について、こう訴えています。

「皇室は国民との関係で成り立つものです。天皇皇后両陛下を中心に、何人かの皇族の方が、両陛下をお助けする形で手分けして国民との接点を持たれ、国民のために働いてもらう必要があります。そうでなければ、皇室が国民とは遠く離れた存在となってしまうことが恐れられます。
 そこで、たとえば、内親王様が結婚されても、新しい宮家を立てて皇室に残られることが可能になるように、皇室典範の手直しをする必要があると思います」(前掲著書の後書き)

 御公務の「御分担」なるものが可能ならば、これまでも実行されてきたはずです。ところが、たとえば、11月3日の「文化の日」以後、ほぼ1週間にわたってつづく、叙勲に伴う拝謁が皇太子殿下と「御分担」できたのか、といえば、否です。

 内外大使のご引見などは、陛下のご負担軽減策が採られるようになった平成21年以降も、それ以前の方法となんら変わらないように見えます。

 鳴り物入りで行われた宮内庁によるご負担軽減策は失敗したのです。失敗を認めず、原因が何かを追求することもなく、今度は「皇室制度」改革を言い出したのでした。

 だとすれば、12条を改正したとして、どうして「御分担」できるでしょう?


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります


☆ひきつづき「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンへのご協力をお願いいたします。このままでは悪しき先例がそのまま踏襲されるでしょう。改善への一歩を踏み出すために、同憂の士を求めます。
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「切り離し」は不可能 ──改革の本質は官僚たちの延命策? 4 [女性宮家創設論]

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「切り離し」は不可能
──改革の本質は官僚たちの延命策? 4
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 拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。


第3章 伝統を拒絶する官僚たちの暴走

第4節 改革の本質は官僚たちの延命策?──絶対に消えない「女性宮家」創設論の火種


▽4 「切り離し」は不可能
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 くどいようですが、政府が「皇室制度」改革を進める目的は、「皇室の御活動」の維持でした。平成24年2月、有識者ヒアリングを前にして、政府は、実施の趣旨について、こう説明していました。

「現行の皇室典範の規定では、女性の皇族が皇族以外の方と婚姻された時は皇族の身分を離れることとなっていることから、今後、皇室の御活動をどのように安定的に維持し、天皇皇后両陛下のご負担をどう軽減していくかが緊急性の高い課題となっている」〈http://www.kantei.go.jp/jp/singi/koushitsu/yushikisha.html

 これはきわめて論理性に欠けた文章です。なぜそんな文章を堂々と載せているのか、そこにポイントがありそうです。

 キーワードは「皇室の御活動」で、より端的にいえば、「天皇陛下の御公務」であり、「天皇皇后両陛下のご負担軽減」のため、御公務を女性皇族にも「御分担」いただくというのが、政府が考える最大の目的である、と園部逸夫内閣参与は繰り返し説明しました。

 政府が説明するように、「皇室の御活動」に関するヒアリングだとすれば、そのように命名すればいいものを、なぜ「皇室制度に関するヒアリング」と称さなければならないのか、まったくもって不可解です。

 そして、6回の有識者ヒアリングを踏まえた「論点整理」で、

「象徴天皇制度の下で、皇族数の減少にも一定の歯止めをかけ、皇室の御活動の維持を確かなものとするためには、女性皇族が一般男性と婚姻後も皇族の身分を保持しうることとする制度改正について検討を進めるべきであると考える」

 という理屈で、皇室典範改正による「女性宮家」創設がいよいよ打ち出されました。

 つくづくおかしいと思うのは、「皇室の御活動」というのは、天皇の国事行為は別として、制度的なものではないからです。

 宮内庁は、春秋の叙勲に伴う拝謁や内外大使らのご引見の多さを気にしていますが、憲法が定める天皇の国事行為は、栄典の授与、外国大使・公使の接受であり、拝謁やご引見ではありません。憲法第4条は

「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ……」

 とさえ明言されています。

 ましてや皇族方の場合、「論点整理」に添付された参考資料にはそれぞれの「御活動」が詳しく説明され、「総裁職など」の肩書きが列記されていますが、これらは制度上の御公務としてお務めなのではありません。

 それなのに、「皇室制度有識者ヒアリング」と銘打ったところに、すでに作為がある、と疑わざるを得ないのです。

 政府は「皇室の御活動」維持のため、そして「陛下のご負担」軽減のために、皇室典範改正が必要だというのですが、皇室典範は主として皇位継承に関する法律なのであって、「皇室の御活動」に関する法律ではありません。

 政府が改正をもくろむ、第12条「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」を含む、皇室典範の第2章は、「皇族」に関する取り決めであって、皇位継承問題と密接に結びついています。

 皇族とは、皇統に連なり、皇位継承資格を有する血族の集まりだからです。であればこそ、皇室典範に定めがあるのです。

 ところが、「女性宮家」創設を提唱する政府関係者はそのようには説明していません。

「女性宮家」創設を政府関係者として最初に明確に提唱し、たびたび公言してきたのは渡邉允前侍従長(いまは元職)で、「皇統論議」棚上げ論も前侍従長の提案でした。

 前侍従長は著書『天皇家の執事』の文庫版後書きでも棚上げを勧めていました。

 その後、スタートした有識者ヒアリングも、皇位継承問題との「切り離し」が念押しされました。

 しかし、「切り離し」などできるはずもないのです。

 繰り返しになりますが、皇族とは本来、皇統に連なり、皇位継承の資格を持つ血族の集まりを意味し、それについて規定するのが皇室典範第2章であって、第2章を改正することは皇位継承問題そのものに関わります。

 そんなことは基本中の基本であって、渡邉前侍従長や政府関係者が理解できないはずはないでしょう。だから、おかしいのです。


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります


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創設論の目的はほかにある ──改革の本質は官僚たちの延命策? 3 [女性宮家創設論]

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創設論の目的はほかにある
──改革の本質は官僚たちの延命策? 3
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第3章 伝統を拒絶する官僚たちの暴走

第4節 改革の本質は官僚たちの延命策?──絶対に消えない「女性宮家」創設論の火種


▽3 創設論の目的はほかにある
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 秋も同様です。平成24年11月15日まで発表された「ご日程」から拾い上げると、次のようになります。

11月7日(水) 拝謁・お礼言上(平成24年秋の勲章受章者)(宮殿)

11月8日(木) 平成24年秋の勲章親授式・拝謁・お礼言上(宮殿)
      拝謁・お礼言上(平成24年秋の勲章受章者)(宮殿)

11月9日(金) 拝謁・お礼言上(平成24年秋の勲章受章者)(宮殿)

11月12日(月) 拝謁・お礼言上(平成24年秋の勲章受章者)(宮殿)

11月13日(火) 拝謁・お礼言上(平成24年秋の勲章受章者及び褒章受 章者)(宮殿)

11月15日(木) 拝謁・お礼言上(平成24年秋の勲章受章者)(宮殿)

 平成23年の秋は、皇太子殿下が御不例・ご入院の天皇陛下に代わって勲章親授式を代行され、皇太子殿下と秋篠宮殿下が陛下に代わって勲章・褒賞受章者をご接見になりました。同様のご日程が組まれるなら、陛下のご負担は格段に軽減することが可能です。皇室典範改正、皇室制度改革の必要はありません。

「ご負担軽減」を目的に謳いながら、すぐにでも実現可能なご負担軽減に取り組まず、皇位継承論の「切り離し」を掲げつつ、皇位継承を定める皇室典範を改正しようとするのは、目的が別にあるのではないかと疑われても仕方がないでしょう。

 自民党総裁選に立候補した小泉純一郎議員(のちの首相)が、公開討論で、女性天皇容認を公言したのは7年9月です。その翌年、鎌倉節宮内庁長官の指示で、宮内庁内で皇位継承に関する基礎資料の整理・作成が開始されました。

 民主党が参議院選のマニフェストに女性天皇容認の方針を掲載したのは16年7月で、前後して、内閣官房と宮内庁が皇室典範改正の公式検討に向けた準備を開始しています。
政治情勢を見定めながら、官僚たちの暴走はまだまだ続くでしょう。


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります


☆ひきつづき「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンへのご協力をお願いいたします。このままでは悪しき先例がそのまま踏襲されるでしょう。改善への一歩を踏み出すために、同憂の士を求めます。
https://www.change.org/p/%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E5%AE%AE%E5%86%85%E5%BA%81-%E5%BE%A1%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%AB%B8%E5%84%80%E7%A4%BC%E3%82%92-%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A1%8C%E4%BA%8B-%E3%81%AB

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「寛宮御用雑記」に記録された光格天皇の御譲位 ──諸儀式の詳細はうかがい知れず [御代替わり]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です


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「寛宮御用雑記」に記録された光格天皇の御譲位
──諸儀式の詳細はうかがい知れず
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 すでにご紹介したように、宮内省図書寮が編修した『光格天皇実録』(昭和6〜22年)は、200年前の文化14年3月22日、「(光格天皇には)桜町殿に行幸あらせられ、皇太子恵仁親王に譲位あらせらる」(原文は漢字片仮名交じり)と記述しています。

 また同じく『仁孝天皇実録』(同)には、「二十二日、清涼殿に於いて受禅あらせらる、是より先、光格天皇、桜町殿に行幸あらせられ、同殿より剣璽渡御の儀あり、是日、詔して一条忠良をして、旧の如く万機を関白せしむ」とあります。

 この光格天皇から光仁天皇への御譲位は実際、どのように行われたのか、もう少し詳しく見てみましょう。

『光格天皇実録』には「禁裏執次詰所日記」「山科忠言卿伝奏記」「御系譜」「日次案」が、『光仁天皇実録』には「寛宮(ゆたのみや)御用雑記」「禁裏執次詰所日記」「山科忠言卿伝奏記」「野宮定祥日記」「公卿補任」の資料がそれぞれ引用されています。

 これらはほとんど漢字だらけで、読みやすいものではありません。しかし唯一、「寛宮御用雑記」だけは若干、ひらがなが交じり、いくらか理解できそうなので、以下、ご参考までに、原文を忠実に抜き出してみることにします。

 なお寛宮は仁孝天皇の幼名です。


「寛宮御用雑記」
文化十四年三月廿二日、
一桜町殿え(ママ)行幸、御譲位御璽渡御御受禅也、
一所司代大久保加賀守丑半刻衣冠ニテ参内、御内玄関より伺公之間へ被通菓酒出ル、御両伝面会無之、卯半刻過行幸御催、唐門腋門より御門外南方ニテ御見送リ行啓後引続供奉、
一行幸辰刻過、御道筋南殿より宜秋門代より南へ建礼門前ヲ東へ、桜町殿唐門より入御、行啓同刻朔平門より西へ、東門通リ南へ南門通東へ新御殿へ御入、
一行幸被写済恐悦執次御賄頭奥ヘ申上ル
一所司代於桜町御所節会拝見、相済御祝同粥御酒吸物出恐悦被申上、夫より中宮新御殿へ被参恐悦被申上退出、再禁中へ被参伝奏衆御面会恐悦被申上、御酒吸物出ル、次ニ大御乳人出会口祝有之、伝奏衆再会御返答相済退出、
一町奉行御付院御付御目付等各再参ニ而恐悦申上有之、
一未半刻前
剣璽清涼殿ヘ渡御、右御道筋桜町殿唐御門より北へ、建春門より渡御、但人留之義下御所より御下知有之、
一御譲位御受禅御祝義御使
  長橋殿 右京大夫
院御所へ
 御太刀一腰 御馬代金六枚 綸子十反
 昆布鯣鶴一箱宛 御樽三荷
 御移徒ニ付
 御棚一箱 白銀五十枚 昆布一箱 鯣一箱 生鯛一折 御樽三荷
    中略
一今日より三箇日内侍所神饌供進、大床子御膳、朝餉、
一今日乾御門 蛤御門 清和院口御門より雑人往来、
一子半刻前御受禅御作法被為済、
廿三日、
一御譲位御受禅御祝義
 一条関白殿へ
勅使梅渓中将殿添使下川辺外記
 御太刀一腰 御馬代金一枚 紗綾十巻 昆布鯣塩鯛一箱宛 御樽一荷
一今度院御所へ御料一万石被進候旨所司代より伝奏衆へ御達有之、
一御譲位御受禅御祝義献上
 御太刀一腰   所司代大久保加賀守
 御馬代金一枚  使筑馬源三左衛門
右献上之品勘使所へ預置、追而関東使参内之節御披露也、


 さて、以前、ご紹介したように、博学で知られた一条兼良の『代始和抄』には、御譲位による皇位継承では、「警固、固関(こげん)、節会、宣制、剣璽渡御(けんじとぎょ)、新主の御所の儀式など」が行われ、とくに父子継承でない場合は「上表、揖譲の儀」が行われることが解説されています。

 とすると、光格天皇から第六皇子・仁孝天皇への御譲位では、「上表の儀」はないにしても、「警固、固関、節会、宣制、剣璽渡御、新主の御所の儀式など」はあったであろうことが推測されます。

 けれども、少なくとも『仁孝天皇実録』に引用された「寛宮御用雑記」からは、仙洞御所への行幸、節会、剣璽渡御などがあったことは分かりますが、それらの詳細を十分にうかがい知ることはできません。
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改善されない叙勲の「拝謁」 ──改革の本質は官僚たちの延命策? 2 [女性宮家創設論]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です

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改善されない叙勲の「拝謁」
──改革の本質は官僚たちの延命策? 2
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 拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。


第3章 伝統を拒絶する官僚たちの暴走

第4節 改革の本質は官僚たちの延命策?──絶対に消えない「女性宮家」創設論の火種


▽2 改善されない叙勲の「拝謁」
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 さて、「女性宮家」創設の目的とされたのは、天皇陛下の御公務ご負担軽減であり、「皇室の御活動」の維持でした。とくに「拝謁」が多いことが指摘され、そのなかでも叙勲に伴う「拝謁」が多いことが宮内庁の悩みでしたが、改善されていません。

 軽減策が採られる前の19年は、春の叙勲では、5月8日火曜日から土日をはさんで翌週の16日水曜まで、延べ7日間、「拝謁」が続きました。秋は、11月6日火曜日から始まり、間に10日土曜から13日火曜までの滋賀県行幸をはさんで、14日水曜に再開され、16日金曜まで、つまり春と同様、7日間、行われました。

 ご負担軽減策実施後はどう変わったかというと、22年春の場合は、1日だけ減りました。6回行われていた「勲章受章者の拝謁」のうち、6回目に褒賞受賞者を参加させたからです。秋もほとんど同様でした。

 それなら「女性宮家」ヒアリングが行われた平成24年はどうだったでしょうか?

 まず春の叙勲です。ほかの御公務、地方行幸、イギリス公式ご訪問までをはさんで、延べ6日間にわたって行われました。つまり、何も変わっていません。

5月8日(火) 平成24年春の勲章親授式・拝謁・お礼言上(宮殿)
      拝謁・お礼言上(平成24年春の勲章受章者)(宮殿)

5月30日(水) 拝謁・お礼言上(平成24年春の勲章受章者及び褒賞受章者)(宮殿)

5月31日(木) 拝謁・お礼言上(平成24年春の勲章受章者)(宮殿)

6月1日(金) 拝謁・お礼言上(平成24年春の勲章受章者)(宮殿)

6月5日(火) 拝謁・お礼言上(平成24年春の勲章受章者)(宮殿)

6月6日(水) 拝謁・お礼言上(平成24年春の勲章受章者及び褒章受章者)(宮殿)


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります


「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンへのご協力もお願いいたします。このままでは悪しき先例がそのまま踏襲されるでしょう。改善への一歩を踏み出すために、同憂の士を求めます。
https://www.change.org/p/%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E5%AE%AE%E5%86%85%E5%BA%81-%E5%BE%A1%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%AB%B8%E5%84%80%E7%A4%BC%E3%82%92-%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A1%8C%E4%BA%8B-%E3%81%AB

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男子御誕生でも途切れなかった ──改革の本質は官僚たちの延命策? 1 [女性宮家創設論]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です


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男子御誕生でも途切れなかった
──改革の本質は官僚たちの延命策? 1
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 私は運動家ではありませんが、日本の現状と行く末を心から憂い、「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンを、1人で始めました。このままでは悪しき先例がそのまま踏襲されるでしょう。改善への一歩を踏み出すために、同憂の士を求めます。
https://www.change.org/p/%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E5%AE%AE%E5%86%85%E5%BA%81-%E5%BE%A1%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%AB%B8%E5%84%80%E7%A4%BC%E3%82%92-%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A1%8C%E4%BA%8B-%E3%81%AB

 さて、以下、拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。


第3章 伝統を拒絶する官僚たちの暴走

第4節 改革の本質は官僚たちの延命策?──絶対に消えない「女性宮家」創設論の火種

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 この記事を書いていたころ、世の中はすっかり選挙モードに入ってしまいました。そのおかげで、月末に出る月刊誌に載るはずだった拙文の原稿はすっかり色あせてしまい、よほど忙しいのか、編集者からの連絡もありません。

 私のテーマはいうまでもなく、いわゆる「女性宮家」創設問題ですが、衆院選後、民主党が下野したとき、その行方はどうなるか、次なる興味が生まれました。

 すでに平成24年10月上旬に「論点整理」が出された段階で、あるメディアは

「政府は皇室典範改正を断念」

 と伝えていました。

「有識者ヒアリングで異論が相次ぎ、与野党ともに慎重論が根強い」

 というのが理由ですが、だとすると、「女性宮家」問題は終止符が打たれることになるのか、といえば、私は違うと思います。

 もともと「女性宮家」創設論は、政治主導ではなく、官僚主導で進められてきました。したがって、政権交代で影響を受けることはないと思われます。一時的に水面下に潜行することはあっても、絶対に火種が消えることはないでしょう。


▽1 男子御誕生でも途切れなかった


「女性宮家」創設論は、すでに書いたように、女性天皇・女系継承を容認する皇室典範改正と一体のかたちで、10年以上も前から、最初は政府官僚の間で非公式に議論され、16年暮れに皇室典範有識者会議が発足したことで公的検討に移りました。

 翌年11月にまとめられた女帝・女系継承容認の報告書には、「女性宮家」の表現はありませんが、女性皇族が婚姻後も皇室にとどまるという中味は文章化されています。

 18年1月に寬仁親王殿下が雑誌インタビューで、男系継承の維持を希望されたのに対して、羽毛田宮内庁長官が口封じに及んだほど、官僚たちの執念は強固なものでした。

 翌2月、秋篠宮文仁親王妃紀子殿下の御懐妊兆候が発表され、政府は皇室典範改正案提出を断念しましたが、9月に悠仁親王殿下が御誕生になったとき、またもや羽毛田長官は水を差しました。

 そして、「女性宮家」創設論は御在位20年を機に、はっきりと蘇りました。

 翌日に政府主催の天皇陛下御在位20年記念式典を控えた21年11月11日、「日本経済新聞」の連載に、「女性宮家」創設検討を促す渡邉允前侍従長(いまは元職)のコメントが載りました。これこそ一般紙が伝える、政府関係者による「女性宮家」創設提案の最初かと思われます。

 つまり、女性天皇・女系継承容認論と一体の「女性宮家」創設論は、悠仁親王殿下御誕生でもけっして途切れることはなかったのです。これからも絶対に立ち消えになることはないでしょう。


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります

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